映画見てきた

http://perfume.gyao.jp/(注:音が出ます)
女性向けサイトの懸賞で当たった、と女友達に誘われて行ってきました。女性向けサイトと聞いて今一つ気乗りがしなかったのですが「テーマは殺人だから」と良く分からんお誘いを受けて行く事に。
見終わっての感想は、えー、
「宗教観の違い」
と言う見解で一致しました。こりゃ、「鬼才」と言われる訳だ。ポスターが回収騒ぎにあったらしいですが、そう言うレベルじゃないだろ!!と。ま、確かに面白かったと言うか見応えはあった。特にラストの二転三転。その度、おぉう、そう来たか、と思えます。演出、音楽もお見事。
それから、劇場内のシニカルなイラストのポスターがナイスでした。
しかし、メインヒロイン、ローラじゃなくないか?杏売りの少女じゃないか??

以下ネタばれ。
徐々に狂気に取り付かれるのではなく、「元々ある狂気」を淡々と描写していく感じが、逆に恐怖を誘う。また、彼が去った後の人々の不幸がコミカルな程軽やかに挿入されているが、これのお蔭か長い映画が間延びしなくて良かったかな。軽やかに、だけど繰り返し挿入される事で、徐々に彼の非凡性を植えつけられていくようだった。
気配を察せられない理由は彼に匂いが無いから、と言うのも中々面白かった。犬も気付かぬ超無臭。

色々予測したんですがねぇ、ラスト。
実はローラが彼の理解者となって殺されずに13番目の香料をゲットできてグルヌイユが満たされるとか。香水に負けずパパンが討ち取るとか。最後はてっきり石の無臭の洞窟で香りを少しずつ味わいながら朽ちていくのだと思ったのに、まさか街に戻るとは。

冷浸法なら人の匂いを抽出できる、と言うのは少々疑問…既存の方法を改良するシーンが見られれば良かったんだが、尺的にもストーリー的にもそう殺しまくる訳にもいかんか。
香水の薀蓄は実は少々齧った事がありまして、麝香系はラストノートだろ、とか全部麝香はウザイだろ、とかそもそも香水って永遠じゃないんじゃ…とか思ってしまったりしつつ。てっきり杏と処女のハーモニーが素晴らしかったんだと思ったのに外れました。

結局誰一人として彼の真意を解き明かす事無く、また理解者が現れる事も無く、為す術無く平伏した事や、「え、『愛』繋がりでいいの!?」とか、神聖なものと同一化したいと言う発想、全て、日本人には作れない話だなぁと言うか。

…ところで彼は、冷浸法でガラスの匂いを抽出する事ができたのでしょうか。
処女の匂いさえとれればいいのだろうか(笑)

あ、そうそう、これが面白いからコンプしたいんだよね。劇場公開終わったら全部ネット配信してくれないものだろうか。
warnermycal.com -