アキバ系文学か

秋葉少年
秋葉少年、読了。
基本的に、重くて辛いんですよね、将吉氏の話は。オタクの見たくない現実を突きつけてくるし、ラストもスカッと爽快なカタルシスではなくて、薄明るいような、ある種諦観を抱えた終わり方。何だろう、割と文学らしい文学ですよね。

アキバ系文学をキャッチコピーに売り込んでるようですが、正直、所謂オタに広く受けるとはちょっと思えないんですが。オタに広く受けると言うと「現実を直視したくない、願望の疑似体験、カタルシスを得られる」辺りの欲求を満たせるものと言うイメージがあって。

一先ずこの「秋葉少年」と言う本をはけさせるにはいいキャッチコピーだと思いますが、この内容をこのキャッチコピーで売るのはちょっと違うような。
普遍性のあるテーマを扱っているのに題材がオタであるために客層を狭めるのは勿体無いと思ったり、オタが喜ぶものを書いていないのにオタ向けで発信するのは売り出し方として如何なものかと思ったり。折角面白いのだから、オタから「話が違う!」的な総叩きにあって潰れてしまわないといいのですが。

以下ネタばれ。
個人的に、「オタク狩り狩り」の落とし方が好きです。マゾヒスティックに「あぁ、辛いっ!」と痛くて快感、と言うか(笑)。
一緒に買った「メイドマシンガン」と世界観を共有してるけど、「アキバ系パスポート」のるるかさんは自分的には別人です。違う、彼女はこんなんじゃないやいっ!!と言うか。いや、どっちのるるかさんも好きですよ? オタはおぞましいみたく言われるけど、変態性って誰でも持ってるよな、と言うのは激しく同意。
あと、雪乃さんが「TIME」に興味無さ過ぎるのがショックでした。ひどいや。いや自分読まないすけどね。けど賢そうなのに、雪乃さん。TIMEをタイムと書かれるとひどく違和感を感じたりもしました。